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【連載】 西田光毅の「ロシア版シリコンバレー“スコルコボ”レポート」Vol.2

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大前研一氏が、「21世紀のIT大国になる」と断言するロシアで、今起きているビッグムーブメント、それが「スコルコボ・プロジェクト」――。 Vol.2では、世界の各企業がスコルコボに参加するために登録が必要な「バーチャル・スコルコボ・レジデンス」を解説。

スコルコボ委員会側で発表している、スコルコボで行われる主な研究内容は、

・宇宙、通信
・医療、薬品
・エネルギー効率、新エネルギー
・IT
・原子力

となっている。ただ、これ以外の分野でも研究は行われる可能性はあると思われる。

今回のこのプロジェクトは、メドベージェフ大統領が強力なリーダーシップを発揮し、各国に訪問した際も、精力的に広報活動を行い、投資や参加を募っている。グーグル、マイクロソフト、ボーイング、ノキア、シーメンズ、シスコシステムズ、インドの自動車会社のタタなど、世界中のトップ企業が次々に参加を決めており、アメリカをはじめ、イスラエルやヨーロッパ各国、そして韓国や中国などアジアも巻き込んだ、まさに世界的なプロジェクトになっている。

バーチャル・スコルコボ・レジデンス

世界の各企業がスコルコボに参加するためには、スコルコボにVirtual Skolkovo residents(バーチャル・スコルコボ・レジデンス)と言う形で登録する。そのためには、その企業がスコルコボで取り組む予定のプロジェクトや研究内容の申請書をスコルコボ基金のホームページに電子登録し、審査を受け、この審査を通る必要がある。

この審査を通り、バーチャル・スコルコボ・レジデンスになれた企業には、OECD(経済協力開発機構)のレギュレーションが適用され、法人税、資産税、通関税などの税制優遇措置が取られる。

さらに、一度バーチャル・スコルコボ・レジデンスになると、ロシア内のスコルコボ以外での場所でもこれらの優遇措置が受けられるようになる。それ故、バーチャル・スコルコボ・レジデンスと言う名前がついているのだ。

スコルコボプロジェクトは「Plan段階」「Build段階」「Run段階」の3つに分けられ計画されていたが、Plan段階はすでに終了し、現在はBuild段階に入っている。スコルコボでのインフラなどの構築が始まり、初期のバーチャル・スコルコボ・レジデンスの応募も始まっている。アメリカのシリコンバレーやボストンにもスコルコボの代表オフィスが開かれた。

スコルコボのインフラが完全に整うのは、2015年位になると予想されているが、全てのインフラが整わなくてもバーチャル・スコルコボ・レジデンスの構想を利用し、近郊や違うエリアでプロジェクトは進められていくものと思われる。


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